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プロフィール

imahujiwakami

Author:imahujiwakami
長唄三味線と古典芸能に携わって日々過ごしております。
愛犬は黒のトイ・プードル♪
阪神タイガース応援しています♪


出演情報

『今藤佐志郎 ゆかた会』
2018年8月26日ギオンコーナー

『和香海会 長唄浴衣会』
2018年 9月2日(日)大阪西天満「芝苑」

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天才ヴァイオリニスト イツァーク・パールマンのドキュメンタリー番組。

途中からだけど、録画してくれていたようで見ていました。
(番組前半にもステキなお話があったようなので、オンデマンドで見てみます。)

ヴァイオリンの音は大好き。

番組ではパールマン夫人のお話も聞くことが出来ました。

「音楽は私たちに夢を見させてくれる」

なんと素敵な✨

私は常々、自分が音楽に携わっていることに疑問を抱きます。

何のために長唄(音楽)をやっているのか?

生きることに必要な食べ物を扱っているわけでもなく、身体を治す医師でも医療品でもなく、身体に纏う衣料品でもない。

目に見えない「音楽」というもの。

この番組を見て‥
自分は「音楽」で幸せを感じることが度々あるから離れられないのかも‥と、思いました。

至極、単純明快。

その答えを思いついた途端に思い出したことがひとつふたつ。

母が亡くなる数日前のことですが‥。(また母の話ですみません)

私は母が亡くなるかどうか‥という時期に演奏の仕事をひとつ抱えていて、覚えもんのことをベッドに横たわる母に話していました。

(母は長年、長唄のお稽古をしていたので、私の話をいつも楽しそうに聞いていてくれました。)

その時の母は死期が近いこともあり、病院では個室に移動しておりました。

舞台の仕事があるので私にお三味線を弾かさなければ‥と、思ったのでしょうか。
「ここにお三味線持って来て弾いたら? 喬子のお三味線聞きたいわ。」と言いました。

さすがに病院では難しいだろうと思いましたけども、ダメ元で看護師さんに尋ねてみると、「大きくない音だったらいいですよ。」と、まさかの許可が出て‥😅

翌日、私はお三味線を持って母の病室に行きました。

椅子に座り、バチを使わず、爪弾きの小さな音で。

母はベッドに横たわったまま、「あぁ‥えぇ音やなぁ。」と嬉しそうに微笑んで聞いていました。

病室に入って来られた看護師さんは驚きつつも、「わ~三味線って、初めて見ました! いい音ですね~♫」と母に笑って声をかけられたり‥少し和みの時間。

亡くなる、ほんの数日前のことです。

「まさか病院でお三味線が聴けるなんてねぇ。」と、母は笑っていました。

その数日後。

娘(JD)が2歳~3歳の頃に吹き込んでいたお歌色々の録音テープを聞かせてあげようと持って行き、枕元でかけていました。

ドクターは昔のアルバムなどを見せてあげて下さい、と仰ったのですが、徐々に物を見るのがしんどくなっていたので、「聞く」という方向にしようと思いました。

娘のお歌テープは長唄あり、童謡あり、歌謡曲ありの混ぜこぜです。

母は電動ベッドの背を少し上げて目を閉じ、たった一人の孫娘の幼い声をそれはそれは嬉しそうに‥微笑んでジッと聞き入っていました。

母について下さっていた看護師さんも、「あら、なんて可愛い声♫これはいいですね~♫」と、一緒に静かに聞いて微笑んで‥

もう、母と一緒にいられる時間はほとんどない‥

そんな悲しみの中で、何とも言えない幸せな時間でした。
今もその景色をよく思い出します。

そして、その夜に母は亡くなりました。

あと数日は持つだろう、と聞いていただけにショックでしたが、今から思うと、何というタイミングで、あのカセットテープを持って行ったことか。

母は、可愛い孫娘の歌声を何度も何度も巻き戻しては聴いて、また巻き戻しては聴いて‥本当に幸せそうでした。

音楽は(音楽を好きな)人を幸せな気持ちにする‥。

映画『戦場のピアニスト』では、ユダヤ人ピアニストがナチから逃れ、隠れ家にあるアップライトピアノの蓋の上から鍵盤を弾くモーションをします。

想像で「音」を鳴らすシーン。

飢えと、物音を立てられない極限のストレスの中、想像での演奏の間、彼は好きな「ピアノ」と「音楽」と共に、僅かですが幸せな時間を感じます。

このイツァーク・パールマンの番組の中でも、戦争時の話に触れていました。

戦争は本当に残酷だ‥

切ない音楽の話‥。

幸せの種類は人によって違いがあるけれど‥

いろいろ思うに、私にとっての幸せは、やっぱり長唄(音楽)を演奏したり、聴いたりすることなんだと思う。

私自身が幸せを感じたいから、演奏会をするんだと思う。

毎回、本番直前には緊張とストレスで、「演奏会なんてやらなきゃよかった。」って思うのに、懲りない(笑

自分の未熟な技量を目の当たりにした時には辛苦も伴うし‥(笑

演奏が「もひとつやったな‥。」って思う度、後々まで引きずるタチ。

でも、やっぱり舞台に並んで自分はつたないなりにも、一緒に演奏して頂く方のお声やお三味線の音を感じ、奏でる音やフィーリングがぴったりと合った時には、この上ない極上の幸せを感じてしまう。

不思議なもので、そういった舞台での「瞬間」には、お客様からの熱量もすごく感じます。

番組の中でイツァーク・パールマンが言っていました。

「(自分は)音楽を聴いて、こんなに感動できるっていうことがとても幸運だと思う。」と‥。

音楽を通じた「幸せ」がある✨

生きていく上で「幸せ」は、どんな形であっても少なからず必要だ。

それを味わいたくて、私も苦手な覚えもんを頑張れるのかもしれません(^_^;)

さて‥精進精進。

ここまで読んで下さった方‥
思いのままの駄文、お読み頂きありがとうございましたm(_ _)m

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