どうもこの前からイヤな空気感…。
ふと思うと、またあの時期がやってきた。
2月の下旬に母はやってきた。
ガンの疼痛を伴って…。
もう2年前? それとも3年前か。

2/11 第7回太明藏・太明十郎の会で綱館を弾いたその直後に母は胆嚢がんを発症した。
胃痛…酷くなる背中の痛みを訴える母を放っておけなくなり、我が家に引き受けた。
そこから6月に母が入院するまで我が家で…そして母が亡くなる7/4まで一日も欠かすことなく病院を訪れて日々を過ごした。
綱館を弾いていた時には私も、母も、誰もがガンのことなんて考えも及ばないほど、母は元気だった。
ガンの宣告を受けてからは、まるで「よーい、どん!」と、ストップウォッチを押されたように早かった。
「あ~本当に良かった!緊張したわ~。」
綱館を聴き終わった母は笑顔で言ってくれた。
母の横で様子を見ていた(当時)母のお弟子さんが今も時々話してくれることがある。
「あの時のお師匠さんは、ほんとに嬉しそうなお顔で聴き入ってられました。」
私自身、劇場や共演の皆さんに助けていただいて良い演奏ができた舞台でもあった。
(今現在、あの演奏を超えるものはなかなか出来ていない…)
よかった。。
最後に聴いてもらえたのがあの舞台で。
本当に良かった。
舞台の数は少ないけど、ひとつひとつに思い出が詰まっている。
中でも私の「綱館」は嬉しいと哀しいが背中合わせ…。
また春が来て、母と病院に通った空気や音を思い出し…そして夏になる。
またしばらく辛いなぁ。
あともう少し一緒にいたかった…。
ねぇ、たろばぁ。