長唄『梅の栄』
明治三年。
『梅の栄』は、岡安喜三梅という女性の結婚記念に作られた曲、と言われています。
素敵ですよね😊
喜三梅という名前にちなみ、「梅」という言葉が含まれ、品良くのどかでおめでたく、それでいて明るく元気な初春の雰囲気に作られています。
羽子板で羽根つきをするような合方(三味線だけで弾く箇所」や、転調した二上り(にあがり)の、のどかでゆったりとしたお唄…紅梅や白梅、ほんのりとした薄紅梅の梅の花…美しい「日本の色」が見えるような…そんな名曲だと思います😊
この「梅の栄」には、「前弾き」というお三味線だけの「本手」と「替手」で弾かれる前奏があります。
この前弾きには、今藤流特有の「替手」がつけられており、先日の公演では、その「替手」を弾かせて頂きました。
少し不協和音のような音がするのに気付かれた方もおられるでしょうか?
少し高めの音で「ホケキョ ホケキョ ケキョケキョ」と、ウグイスの鳴き声を表した手がついているのです。
この「ホケキョ」の手。
今藤の人にとってはごく普通…なんですが😅
本手を弾く人にとっては、実に「間」の取りにくい「間」で作られており、他流派の方が本手を弾かれる場合、初めて合わすと、ほぼ、本手が止まってしまわれる、という「魔の替手」なのです😅
なので、ほぼ、本手と替手が今藤同士の場合にしか弾かれません😅
ちなみに、ホケキョを弾くのは替手の役割で、先日は私が弾かせて頂いてました。
公演当日、お囃子さんで、この替手を習ったことのある方から「懐かしいですねぇ(^^)」と、言われました。
最近、聞くことが少なくなっているのだと思います。
うちの先生は必ず弾かれますので、マンさんも、「先生、よく弾いてはったよなぁ」と言ってました😅
雛鳥のすり込みと同じで、私はこれから入ったので、無いと寂しく感じます😅
不協和音と少しいびつな「間」が、クセになる苦くて辛い食べ物のような…そんな感じでしょうか 笑
好きな人にはたまらない。
嫌いな人には絶対不要w
そんな「替手」が入った今藤の「梅の栄」です 笑
当日は二挺二枚(にちょうにまい)という編成で弾かせて頂きました。
長唄の演奏では、個々の演奏レベルが露わになる、最も緊張する編成ですが、素晴らしい先輩方に支えて頂きお届けすることが出来ました😊💦
(特にイシハラホールは技量が顕著に現れます💧)
自己採点の減点箇所は、今後は絶対に減点にならないよう…修練します💪✨
そんな『梅の栄』でしたが、今回、お聞き頂いた方々より「梅の栄、良い曲だなぁと思いました。」とのご感想も頂き…嬉しかったです😊✨
(解説でホケキョの話をしようと思っていて、抜けておりました💧)
もし、また今藤の『梅の栄』をお聞きになる機会があれば、「ホケキョ」に耳を傾けてみて下さいね(^^)
ご静聴賜りありがとうございました
m(_ _)m✨
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